米ヤフー、中核ネット事業の売却検討
The Wall Street Journalの記事によると、Yahooの取締役会は、今後の複数の会議において、同社の中核事業の売却を検討しているようだ。
これまでのいきさつを極めて簡単に振り返ってみた。
YAHOOの設立 1995年3月1日
ヤフーはスタンフォード大学の学生であった、ファイロと楊の2人で設立された。
ファイロと楊のて2人はスタンォード大学の学生の頃、ネットサーフィン中に見つけた興味深いページを「Jerry’s Guide to the World Wide Web」(「ジェリーのワールド・ワイド・ウェブ案内」を意味する)というウェブサイトに公開しいた。
リンクが階層的に分類され、ジャンル別に検索しやすくなったこのウェブサイトは評判となった。いわゆるディレクトリ型の検索である。
やがて2人はベンチャーキャピタルに事業化を持ちかけられ、1995年3月1日、アメリカ合衆国カリフォルニア州に Yahoo! Inc. を共同設立し、会社法人として事業を開始した。1996年4月にはNASDAQで株式を公開した。
Yahoo! JAPAN のサービス開始等の関係からソフトバンクによる出資を設立当初から受け入れている。
現在でもYahoo! Japanを運営するヤフーはソフトバンクが筆頭株主であり、利用者情報などを含めてアメリカYahoo!とは独立した事業運営をしている。
Googleの創業 1998年9月4日
一方のGoogleは、スタンフォード大学の博士課程に在籍していたラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって創業された。
現在でも2人合わせて16%の株式を保有している。1998年9月4日にGoogleは非公開の会社として設立され、2004年8月19日に最初の株式公開がされた。
Googleの検索エンジンは、独自のプログラムが、世界中のウェブサイトを巡回して情報を集め、検索用の索引を作り続けている、いわゆる巡回ロボット型と呼ばれるものである。
検索エンジンの優劣 2004年2月18日
その後はよく知られているように、YAHOOのディレクトリ型の検索より、GOOGLEの巡回ロボット型の優秀性が明らかになり、2004年(平成16年)2月18日に Yahoo!のサーチエンジンもGOOGLEのアルゴリズムを採用する契約が終了した。
YAHOOは経営方針、CEOが二転三転するように、次第に経営的に苦しくなってきた。GOOGLEの躍進とは対照的であった。
YAHOOの現状 2015年12月3日
株主たちの評価による同社の中核事業の実質価値は、ゼロ以下である。つまり会社の将来性に対するポジティブな確信がほとんどない、ということだ。
ただし、スポーツや金融の情報サイトとしては根強いファンが存在するため、売りに出れば買い手は簡単に見つかるとみられる。
また、米ヤフーの企業価値の大半はアリババと日本のヤフー株など保有株が占める。
アリババ株の売却保留は同じく売却する方向だった日本のヤフー株の処分にも影響を与えそうだ。