格安SIM市場はまだ2%弱
格安ケータイとして一時期大きく取り上げられたMVNO(仮想移動体サービス事業者)ですが、今年3月時点ではまだ2%弱(1.8%)しかないようです。
ただし、年間で1.1%から1.8%へと、伸び率は大きく、キャリア側も、スマ放題、通話し放題などMVNOの弱点(通話料金が高い)などで反撃しています。
現状では、スマホの月額が1万円弱にもなっており、4人家族では3~4万円/月にもなります。それにもかかわらず、MVNOが伸びないのは、国内の携帯メーカーからSim Freeスマホがほとんど出されておらず、また、iphoneなどの高価格スマホは分割払いも整備されていないからでしょうか。
パソコンも、従来は国産メーカーでないと信頼性が・・・などの神話がありましたが、今となってはSONY本体のPC撤退(別会社化)にあるように、外国メーカーに圧倒されているのが現状です。今後の成り行きが注目されます。
*MVNOとは「Mobile Virtual Network Operator」、日本語では「仮想移動体サービス事業者」を指します。 携帯電話回線などの無線通信基盤を他の通信事業者から借り受け、独自のサービスをくわえて提供する企業のことです。
以下はMM総研からのレポートです。
MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は6月17日、国内MVNO市場の2015年3月末実績を発表した。
◆ 契約回線数が1年間で倍増 今後も順調に伸びる
MVNOサービスの総契約回線数は、2015年3月末時点で3,045万回線となり、2014年3月末(1,480万回線)に比べ回線数で105.7%増加した。
2013年3月末に初めて1,000万回線を突破し、1,037万回線となったMVNO市場。2年後の2015年3月末には3,000万回線を突破し、急速に市場が拡大している。今後も引き続きMVNOサービスの総契約回線数は順調に伸長していくことが予想される。
◆ 回線種別ではBWA(WiMAX/AXGP)が最多で、前年比160.6%増の1,892万
15年3月末時点の契約回線数を回線種別に分類すると、携帯電話(3G/LTE)が1,135万(シェア37.3%)、BWA(WiMAXおよびAXGP)が1,892万(同62.1%)、PHSが18万(同0.6%)で、BWAカテゴリが最多となった。2014年3月末時点では携帯電話カテゴリが730万(シェア49.3%)とBWAの726万(同49.1%)を上回っていたが、2015年3月末時点ではBWAの回線数が逆転した。
BWAカテゴリでは、MNOでもあるMVNO向けの回線数が大きく伸長した。AXGP回線では、ソフトバンクモバイル向けに提供するWireless City Planningが契約回線数を引き続き伸ばした。さらにWiMAXおよびWiMAX2+を提供するUQコミュニケーションズは、提供先のKDDI(au)がWiMAX2+対応のスマートフォンを2014年夏モデルから販売を開始した効果もあり、この1年間で大きく契約数を伸ばしている。
◆ 独自サービス型SIM*の回線契約数は326万
*独立系MVNO事業者がSIMカードを活用し、独自の料金プランで提供する個人/法人向けの各種サービスを指す
MVNO市場の中でも注目を集める「低価格SIM」を含む独自サービス型SIMの回線契約数は、2015年3月末で326万回線となった。2014年3月末時点では173万回線だったので、1年間で回線数は88.4%増加した。全キャリアの回線契約数を合計したモバイル市場全体は、2015年3月末で1億7,670万。
独自サービス型SIMはモバイル市場全体から見ると、構成比で1.8%となり、2014年3月の1.1%から0.7ポイント増加した。依然としてモバイル市場全体では小さなシェアに留まっているが、普及阻害要因である「サービス認知度の低さ」「端末調達ハードルの高さ」「購入チャネルの少なさ」「サポートの弱さ」が改善されつつあり、今後の急速な普及が期待される。また、訪日外国人の増加に伴い、利用期間・利用可能容量が限定されたプリペイドSIMの販売数が増加している。2020年のオリンピックへ向けて、さらなる需要の拡大が期待される。
◆ 独自サービス型SIMにおける主要4事業者のシェア合計は50%超
2015年3月末時点の事業者シェアを見ると、1位はOCNモバイルONE等を提供するNTTコミュニケーションズで22.6%(73.8万回線)。次いで、IIJmio SIM・BIC SIM等を提供するインターネットイニシアティブの16.4%(53.6万回線)、BIGLOBE LTE/3G・うれスマ等を提供するビッグローブ7.1%(23.3万回線)、b-mobileブランド等を提供する日本通信の5.3%(17.2万回線)となる。4事業者のシェア合計は、2014年3月末時点に引き続き、独自サービス型SIMの過半数に達する。