パリのISISテロリストがプレイステーション4を使ったとフォーブスが誤報
フォーブスが誤報
フォーブスはテロ発生翌日の11月14日、「イスラム国のテロリストは、プレイステーション4を襲撃の謀議と計画にどう使った可能性があるか」と題する記事を掲載した。
フォーブス:「イスラム国のテロリストは、プレイステーション4を襲撃の謀議と計画にどう使った可能性がある」
この記事の中で、ベルギーのヤン・ヤンボン内相は、イスラム国の活動家たちが盗聴の難しいプレイステーション4を通信手段として使っているとし、こう述べている。
また、訂正前の記事とヤンボン内相の発言は他のメディアでも引用され、プレイステーション4とテロの関係を印象づけている。
フェイスブック傘下のメッセージアプリ「ワッツアップ」は暗号化によるプライバシー保護で知られ、イスラム国のテロリストらが連絡用に使っている、としばしば名指しされてきた。
この記事は65万を超すページビューを集めている。
ゲームサイトがこの記事が誤報であることを明らかにした
ゲームサイトの「コタク」は16日、捜索でプレイステーション4も見つかってはいなかったとし、これが誤報であることを明らかにした。
ゲームサイト「コタク」:ゲームサイトの「コタク」はこれが誤報であることを明らかにした。
記事は、テロ実行犯グループの重要拠点であったベルギーでの捜索によって、プレイステーション4が押収されたとし、今回のテロ計画にプレイステーション4が使われていた可能性があると指摘。
フォーブスも誤りは認め、内相の発言が事件前だったことと、プレイステーション4は捜索で押収されてはいないことを訂正文として表記したが、記事自体は取り消していない。
フォーブスの記事は、米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コメイ長官らを筆頭に、テロ・スパイ対策の一環として、暗号化された通信を解読できる「裏口」の法制化を推進してきたことを後押しする可能性がある。
プレイステーション4は強力な暗号化通信でも知られている
プレイステーション4の暗号化通信はAndroidで使われる「ワッツアップ」よりもはるかに強力とのこと。
一方のプレイステーション4も暗号化通信で知られ、今夏に世界で累計出荷台数1000万台を記録した、と発表されている。
ベルギー内相の発言は、その通信サービスであるプテイステーション・ネットワークのことを指しているようだ。
ただこの発言があったのは、テロ発生3日前の10日、ネットメディアの「ポリティコ」がベルギーのブリュッセルで開催したイベントの壇上でのことである。
テロを機会に暗号解読の法制化をたくらむ人たちがいます。気をつけないと。